院試の過去問はいつ解くべきか?本番までの勉強スケジュールについて

大学生活

院試に向けた勉強を始めるなら、兎にも角にも過去問を入手しないといけません。

そしてこの過去問をどうやって、どのタイミングで解いていくかによって学習効率が大きく変わってきます。

今回は僕が実際に院試勉強をはじめて合格するまでの経験から感じた、過去問を解くべきタイミングについてまとめていきます。

まず1年分解いてみてゴールまでの距離を測る

まず、過去問は入手したらすぐに1年分解いてみることをおすすめします。

筆記対策してないから解けるわけない、やるだけ無駄じゃないの…?という場合でもとりあえず解いてみる。

このときちゃんと本番の試験時間内で解くようにします。

すると次のような学びが得られるはずです。

・全然解けなくてヤバい
・時間が足りなくてヤバい
・学部でこんな内容勉強した覚えがなくてヤバい
・こんなの解けるようになる気がしなくてヤバい
・こんな状態で本番まであと数ヶ月とかほんとヤバい

僕が初めて過去問を解いたのは本番まであと3〜4ヶ月のタイミングでしたが、まさに上記のような感じでした。

学部での講義をさぼりにさぼっていたため、解けるわけないということで教科書を一通り復習した上で臨んだ過去問でしたが、冗談抜きで一問しか解くことができず震えたのを覚えています。

一方で同じ大学院を受けるという友人が同じ過去問を6割解けたとか言うもんだから、当時は「あ、無理かも」と本気で受験を諦めかけたこともありました。

筆者
筆者

いきなり6割解けるというのはレアケースだと思います。彼は1年次から普段の講義をまじめに受けていましたし、成績もよかったみたいです。

しかしここでの目的は過去問を解くことではなく、その時点での自分の学力と、到達すべき学力を把握すること

自分がいかに「ヤバい」状態にあるのかを早めに知ることで、モチベーションを高くもって院試に向けた勉強をスタートできると思います。

教科書で科目の全体像をつかむ

次に過去問を解くのは、受験する科目の教科書をひと通り読んで把握してからになります。

僕がそうだったのですが、大学の講義をよくさぼっていた人にとってはその科目でどんな知識が問われるのかという点があやふやでよくわかっていない状態なんですね。

例えば有機化学では、大きく分けて有機化合物の構造に起因する性質を学ぶ単元と、主要な化合物の合成法を学ぶ単元とに分かれていて、そこからさらにカルボニル化合物や芳香族といった化合物群ごとに詳しく見ていく…

みたいな構成になっているのですが、そういった科目の全体像が頭に入っていない状態でいくら過去問を解いても、自分がどの部分の知識が足りないのかという自己分析も、この大学ではどんな知識が問われるのかという傾向分析もままなりません。

上で述べたのはゴールまでの距離を測るための過去問の解き方でしたが、今度はこうした自己分析、傾向分析のために過去問を解いていきたいのです。

そのためにまずは教科書にひと通り目を通すこと。
2年目以降の過去問を解くのはそれからになります。

このときの落とし穴としては、教科書で知識を完璧にしようとすることです。

教科書はあくまで全体像を把握するためのものであって、途中の練習問題をすべて解けるようにしてから過去問に移ろうと考えるのは時間がかかりすぎるため危険です。

もちろん時間がたっぷりあるから大丈夫!という場合にはそれでいいかもしれませんが、基本的に院試勉強というのは時間との勝負でもあるということをここで思い出してください。

院試勉強は大方、研究テーマ探しや研究室見学、そして卒業研究と並行してやることになります。ラボの教授に院試休みをもらえるとしても1〜2ヶ月程度。
大学によっては願書の作成にも結構時間を取られます。

効率的な勉強の仕方がかなり重要だということです。

院試を解けるようになるための知識は、今後の演習を解いて間違えて、解いて間違えて、…というプロセスの中で身についていくはずです。

筆者
筆者

ここでの教科書の進め方ですが、すべての科目について2〜3週間での完成を目指してください。選択する科目は2つか3つ程度でしょうから、各科目について毎日1単元ずつ進めれば、2週間に十分収まると思います。僕はこの教科書の読み込みに1ヶ月以上費やしてしまったため、後の演習や過去問研究が疎かになってしまいました。

 

というわけで。ここまでの流れとしては、

1.過去問Get!とりあえず1年分解く
2.教科書で科目の全体像を把握する(2〜3週間)
3.他の過去問を解いて自分の知識の穴や傾向を分析する

4.分析をもとに演習を積む

となります。

ここからは過去問での分析をもとに、自分の穴やよく出る問題を重点的にカバーするようにして学習を進めます。

教科書に戻ってもいいですが、僕は科目の全体像が把握できていさえすれば演習書に移っていいと思います。

他の過去問を解くタイミング

ここまでで過去問は2年分消費したことになりますが、他の過去問についてはいつ解けばいいでしょうか。

ここで手元にあるのがどれだけかを確認してほしいのですが、過去問は多ければ多いほどいいです。

大学院の試験は大学によって特色がありますから、限られた期間内に合格圏内まで学力を持っていくためには、受験する大学の特色にフォーカスして学習することが最も効率的だからです。

手元にたくさん過去問がある場合ーー例えば10年分以上ある場合は、演習書よりも過去問を6〜8年分ほど解くことを優先して、本番の2〜4週間前に予備試験として残りの過去問を解くようにするといいと思います。

筆者
筆者

「過去問と解く」とはもちろん、解けなかった問題の演習書などでの補習、そして出題傾向の分析がセットです。

おそらく過去問を5年分も解いたあたりで、その大学の問題については少なくとも5割は解ける状態になっているんじゃないでしょうか。

そこから6割、7割、…と解けるようになっていくには、ひたすら演習書で演習を積む作業が必要になっていきます。

演習書は少なくとも2週以上はやっておきたいですが、だからといって演習書ばかりやっても、大学院の問題はなかなか解けるようになりません。

優先すべきなのは過去問を何度もさらって時間内に9割以上解けるようにしておくこと。

過去問が豊富にあるという人は演習書をやり込むことに執着せず、あくまで過去問優先で本番までの時間と相談しながら学習してください。

 

それから過去問が3〜5年分ほどしかない場合は、メインは演習書や他大学の過去問での演習になります。

本番2〜4週間前の予備試験用に1〜2年分の過去問を残しておくとして、残りの2〜3年分をどのタイミングで解くかというのがわりと重要になると思いますが、この場合は

・教科書をひと通り読んだあと
・演習書を1周したあと
・演習書を2週したあと

といった具合でいいんじゃないでしょうか。

というのも僕や友人がそんなスケジュールでした。

過去問は解けば解くほどその大学の傾向がわかるので早めに解いておきたいのですが、あまりに早すぎるのも自分の学力がつく前に解くことになってしまうので考えものです。

遅くとも本番2週間前には院試対策が完璧になっているように、過去問を解くタイミングを上手く配分してください。

過去問の答えがわからないとき

過去問を解いていくと、教科書や演習書を見てもわからないような問題にたまに出会うことがあります。

そういうときはまずググってください。

問題によってはYoutubeとかに解説が上がってたりもします。

それでもわからない、自力ではにっちもさっちもいかないような場合は、友達とか先輩に訊いてみます。多くはこれで解決することがほとんどでした、僕の場合。

それから教授に訊いてみるというのも手です。

院試の問題を教授になんて訊けないよ…っていう人が僕を含めほとんどだと思いますが、意外と親身になって考えてくれるものです。

ただここで注意したいのは、わからない問題に固執しないことです。

ネットや友達の力をもってしても解けないような問題は、他の殆どの学生にも解けない可能性が高いです。

院試本番では解ける問題を確実に解くことが大切ですから、学習の際も難易度の高い問題に時間を割きすぎず、解けて当然の問題を落とさないようにすることが肝心です。

まとめ

過去問を解くときの流れとしてはこんな感じ。

1.1年分解いてみてゴールまでの距離を測る
2.教科書で科目の全体像を把握
3.他の過去問を解いて分析
4.分析をもとに自分の弱点や出やすい問題を重点的に学習
5.過去問を解いて分析
6.……本番前に予備試験として解く

基本的に過去問と演習書をいったり来たりしながら穴を潰していくことになります。

注意点として、過去問は使い捨てじゃありません。
一度解いたものも、9割〜解けるようになるまで何度も繰り返し使います。

また演習量を重視するあまり、いろいろな演習書に手を出して過去問研究がおろそかになって失敗するというのは陥りやすいトラップです。

何よりも過去問が大事!ということを念頭に勉強を頑張ってください!

 

おわり



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