大学の研究室ってつらいの?ーー間違えると地獄です。【研究室の選び方】

大学生活

どうも、ぽっけです。

研究室への配属からしばらく経ったので、研究生活についての今のところの感想だったり実際に配属されて見えてきた研究室の様子だったりを簡単にまとめてみようと思います。

現在大学3年生の方々なんかはそろそろ配属に向けた準備を始める頃でしょうか。
(まだ早い?)

まあ3年生に限らず、研究室配属を控えた方々にとって多少なりとも参考になればというつもりで書いてみます。

研究室選びは当たりを引いた…たぶん。

研究生活が始まってはや3ヶ月、これまで指導教官から与えられた課題をこなしていくだけのチュートリアル的な毎日でしたが、だんだんひとりで実験を回せるようになってきて最近楽しいです。

筆者
筆者

僕は化学実験系の研究室に所属しています。

研究メンバーの人間関係も幸いうまくいっており、教授が気さくな方なので普段の実験やゼミも適度にリラックスして臨めています。

先輩は右も左もわからない我々にいつも親切にアドバイスしてくれます。

なにより同期たちの仲がいいのが僕としては嬉しいです。

「お前んとこの研究室いつもうるさいよな笑」なんて言われるくらいに普段からワイワイガヤガヤしているのですが、みんな根が真面目なのでそれで研究が滞るようなこともなく、僕を含め他の研究室メンバーにとっても居心地のいい環境になっていると感じてます。

 

ーーこうした研究室の雰囲気というのは実際に配属されてみないとわからないもので、だからこそ「研究室選びに失敗しました(泣」みたいな記事が散見されるのだと思いますが、それを思えば僕はかなり幸運だったと思います。

実際、ある友人M君が配属された別の研究室は就職に強いだとかで例年の配属選考で結構な人気を博すのですが、そのM君曰く先輩も教官もみんな普段から押し黙っていて怖い、お前んとこは楽しそうでいいよなあと。

最近は実験の合間を縫って僕らの研究室へ雑談しに来るのですが、そうでもしないと気が滅入りそうだみたいなことをため息交じりに言うんですよね。

で、あぁ気の毒にということで同期一同で手厚くもてなすわけです。
お菓子なんか出しちゃったりして。

 

そんな感じで、配属からたった3ヶ月とはいえすでに研究室ごとの色がはっきりしてきてまして、僕の研究室は当たりでよかった〜という僕の個人的な感想なのですが…

教授恐怖症になってしまった同期

ここまでもしかすると僕の配属先が理想郷みたいに聞こえたかもしれませんが、話はそう簡単ではありません。

教授が気さくな方だと言いましたが、頻繁に学生とコンタクトを取りたがる人物で、これが人によっては苦痛だったりするんです。

 

言うまでもなく教授は研究室のトップ。
配属されたその時から我々学生は教授の「部下」ですから、どんなに気さくで人あたりがよくても教授と接する際は気を使わないわけにはいきません。

進学するにしても就職するにしても、受験期間や就活期間中は研究活動を一時ストップせねばならず、つまり教授にお取り計らいを頂くことになりますから気を使います。

内部進学するにも教授の推薦状が要りますから、日頃の会話ひとつとっても気を使います。

そもそも我々よりも30〜40も歳の離れた人生の大先輩ですから気を使います。

ーーそんな具合で教授とのコミュニケーションには一定の気苦労が生じるんですよね。

僕はバイト先での経験もあって大人との接し方はある程度心得たつもりでいるのですが、やっぱりどうしても肩に力が入ってしまってだめです。疲れます。

とりわけ学術的な議論になったときですよ。

大学教授よろしく(?)学術的な話になるとまくしたてるようにお話になるので、知識の浅いこちらとしては話についていくだけで精一杯ですし、「君はどう考えるのかねフンスー!」とか聞かれてもアワアワしちゃうわけです。

そこで正直に「すみません、わかりません。ただ僕の浅知恵ではありますがドレがアレでソレなのでコのように考えていますーー。」みたいな事が言えればいいのですが…

頭ではわかっていてもその場で実践するのは難しいです。

 

で、同期にあまりコミュニケーションが得意じゃないのが何人かいるのですが、彼らにとってはそうした教授との会話がどうしてもストレスなようです。

とくに毎週、教授と他の研究メンバーに進捗を報告するミニプレゼンテーションーー縮めてミニプレというものがあるのですが、このとき高確率で教授からツッコミが入ります。

それは理屈が通らないんじゃない?ちゃんと考えてきた?
資料が見にくい。作り直してきて。
言ってる意味がわからない。
中学生にもわかるように説明せーよ。
謝ってもしゃあないやろがい。

……みたいな。怖いです。

筆者
筆者

ごごめんなさい……(泣

ただ当然ながら理不尽に怒ることはなく、研究者になるために必要なノウハウを教えようとしているのだということはよくわかります。自力で考え正解にたどり着くように誘導してくる感じ。

そういうところはこれまでたくさんの学生を見てきただけあるなあと、お前何様なんだという感じですが思います。だから僕にとってはむしろありがたいなと。

ただほんの少しだけ言ってる事が難しいだけ。
ほんの少しだけ顔が怖いだけ。
ほんの少しだけ声が大きくてビクってしちゃうだけ。

でもそういったほんの少しが一部の人にとっては大きなストレスに感じてしまうんですよね。

その同期ら曰く、毎週のミニプレが億劫で仕方ないと。
普通の会話も緊張で舌が回らないと。
実験中もいつぬうっと教授が現れるかと思うと思考がまとまらないと。

最近では教授から離れるために外部の大学院へ進学したいとか言い始める始末。

いやいやそこまですることないよ、ミニプレもちゃんと落ち着いて受け答えしさえすれば教授も怒らないよーーと周囲で説得するのですがだめなんです。

本人たちには教授の対応がかなり理不尽に映るようで、他人がどうこう言って説得できる状態ではなさそう。

どうやら一種の恐怖症になっているようです。

合わない人には合わない

そんなわけで、僕にとっては居心地のいい研究室だけど、その同期たちにとっては結構きつい環境みたいーーという話だったのですが、

「お前んとこは楽しそうだよなあ」なんて言われるような研究室でこんな感じですから他の研究室ではなおさら合う・合わないはあるはず。

友人M君のところのような先輩も教授も黙りこくっているような研究室でも、ひたすら研究に没頭したいんだ俺はア!みたいな人にとってはオアシスかもしれませんし、いや流石に誰とも会話できないのは耐えられない…という人にとっては地獄かもしれません。

だからそこがどんな研究室であっても、合う人には合うし合わない人には合わない。

就職に強いとか、成績のいい人しか入れないとか、コアタイムが短いとか、どんなに評判がいい研究室でもきついところはきついんです。

実際、他研究室ですが、ちょっと精神的にーーということで研究室を去っていった同期がいました。それもまだ研究活動が始まったばかりにも限らず、ひとりやふたりではないんです。

いま彼らがどうしていて今後どうする予定でいるのかはわかりませんが、人生設計に多少の軌道修正が必要になったことは確かです。

事前の研究室選びが重要視される理由はこういったところにもあるのです。

研究室の正しい選び方

「研究室 選び方」とかでググると色々出てくるじゃないですか。
研究実績を見ろとか指導体制を見ろとか教授との相性を見ろとか。

ああいったブログの情報というのは大いに参考にすべしと思いますが、当てにしすぎるのも考えものです。

いくら学生が沢山賞を取っていても、研究室へ行くのが嫌になってしまえば論文どころではありません。

いくらドクターや助教の数が多くても、上手く人間関係を築けなければ教えを請うことも難しいでしょう。

だいたい教授との相性なんて入って何ヶ月かでようやくわかってくるようなもので、研究室見学で話す機会を得たとしてもその数分で「あっこの人はだめだ」って気付けるような人間性なら教授なんて務まらないと思います。たまにそういう癖のある教授もいますが。

そういった要素も大切かもしれませんが、最近多くの研究室訪問をしていて感じること、また訪問先の先輩方のアドバイスに共通していたことは、研究室選びで最も重要なのは人間関係だということです。

筆者
筆者

外部進学のためここ2ヶ月ほど他大に研究室見学に行ってました。

そこにはもちろん教授との相性も含まれます。

なんだ言ってることが矛盾しているじゃないかと思うでしょうが、教授との相性がわかるのは研究室配属が決まってからの話。述べたように、事前に教授とコミュニケーションをとって確かめることは難しいです。

訪問先の先輩方の話では、もちろん教授との相性が分かればそれに越したことはないがそもそも対峙する機会が少ない。だから何よりもまず研究室見学で学生たちの居室を見せてもらい、学生同士の会話から研究室の雰囲気を探れーーということでした。

で、多分それって初めてその研究室に足を踏み入れる身としては難しいことだと思うのですが、どうにか学生、特に上の学年の方々とコミュニケーションを発展させていくと、彼らの研究生活がよくイメージできてその日一番の収穫になるはずです。

コミュニケーションを発展ってどうすんねんって話ですが、そこは得意な方法で頑張ってください。
例えば冗談を言って場を和ませるとか、ひたすら下手に出て好奇心旺盛な学生を演じるとか。

僕のおすすめ、というか実際にやったのは冗談を言うことです。

別にジョークを飛ばさずとも、よきタイミング、例えば「いや〜来るとき電車間違えちゃって大変でしたあ笑」みたいなことを言うときに笑顔を見せればいいんです。

笑いかけてきた人間には笑顔を返したくなるのが自然な心理ですよね。
そうして先方も巻き込んでみんなニコニコしてればだんだん砕けた話もしてくれるようになります。

「ちなみに助教の〇〇(呼び捨て)はアニメ好きでーー」

とか言い出したらその研究室はふだんから会話が盛んな楽しめのところなんだなって、想像の域を出ないにせよわかりますよね。そこで教授の人柄なんかも聞けたら最高。

反対にいつまでもそうした砕けた会話につながらないとか、そもそも笑いかけてくれないような場合には、もしかしてあんまり人間関係うまくいってないところなのかも?ってわかるわけです。

 

もちろん研究室選びでは、興味のあるテーマがあるか、みたいな基本的な情報を押さえることは必須です。

しかし重要なのは研究室見学へ赴き、実際の雰囲気を見てくること。
そのためには学生らと積極的にコミュニケーションをとりながら、行間を読むように普段の様子を探ること。

研究室の雰囲気を形作っているのも、また一番よく知っているのも、学生たちです。

僕はこの方法で本当に行きたい研究室を絞りました。

まとめ

研究生活の中間報告にとどめるつもりがなぜか研究室の選び方について語ってしまった…

研究室選びで検討することは色々あるけど、特に重要なのは人間関係。
ぜひ研究室見学へ言って学生たちの会話からふだんの雰囲気を読み取りましょう、というお話でした。

 

おわり



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