【新型コロナ】クラスター?オーバーシュート?ロックダウン?カタカナじゃよくわからないので意味をまとめてみた

話題のあれ

不必要に使われるカタカナほど煩わしいものってないですよね。

カタカナを使うことで表現を豊かにしたり簡潔にしたりしてくれることもあれば、かえって意味内容がわかりづらくなることもあります。

最近の報道で耳にする「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」は後者に当てはまるわけです。

ニュースを見ていて最初なんのことを言っているのかわからなった方もいるのではないでしょうか。

 

今回の件に関しては日々の生活に深く関わることですし、緊急性の大きな問題でもありますから、用語の意味は正しく理解しておきたいところ。

ということで、新型コロナウイルスに関する報道で耳にするいくつかの用語の意味についてまとめてみました。

「クラスター」の意味

cluster[名]:集団、群れ、固まり

小規模の感染者集団のこと。

クラスターが新たなクラスターを生み出すこと(クラスター感染)により感染者が急増することが危惧されています。

「集団感染」は動詞ですから、clusterと同じ名詞である「感染者集団」の方が言い換えとしてふさわしいと思います。

「オーバーシュート」の意味

overshoot[名]:行きすぎる、度を越す

爆発的に感染者が増加すること。

潜伏期間が長いことが新型コロナウイルスの特徴として挙げられています。
感染してはいるものの無症状の潜在的感染者が、仕事などのために外出することで感染が拡大、短期間のうちに発症者が医療施設へ押し寄せることで医療崩壊が生じる可能性があります。

「ロックダウン」の意味

lockdown[名]:監禁、厳重な封鎖

都市封鎖のこと。

中国武漢をはじめ、イタリア、フランス、インドなどですでに実施されています。

都市封鎖を実施する自治体により措置の内容は様々です。
外出禁止など、対象とするエリアでの住民の行動を制限するほか、勝手に外出した人には罰金や禁固刑を科すところも。

日本でロックダウンが行われる場合、先んじて国の緊急事態宣言が出されることになります。
これに基づいて都道府県知事による外出制限や各種施設の休業、医薬品の物流などに関わる要請・指示が行われます。

小池都知事がたびたび言及しているロックダウンとは、主に都民の外出制限を指しているようです。

「COVID-19」って何の略?

「武漢肺炎」や「中国肺炎」、「2019-nCoV」など、新型コロナウイルスが確認された当初は様々な呼び方をされていましたが、現在はWHOの発表した「COVID-19」が正式な名称として浸透しています。

Corona Virus Disease 2019COVID-19

が名称の由来です。

地理や動物、特定の集団や人物の名前を含まないこと、偏見や汚名につながらないようにすることが重要視されています。

ふと思ったのですが、「スペイン風邪」についてはWHOはどんな見解なのでしょうか?

Spanish flu の訳語としてつけられたそうですが、日本ではこの名称で浸透してしまっていますよね。
WHOのウェブページにもSpanish Flu とがっつり国名入りで表記されています。
しかもスペイン風邪の発生源はスペインではないというのだから、現在のWHOの基準ではあり得ない命名です。

The 1918 Influenza Pandemic had previously surfaced in the United States and France (where it was known by the code name “disease XI”), but as both were fighting in World War I, it was kept quiet. Spain, which was neutral, had a free press and so was the first to report the existence of the pandemic.

WHO 「Test your knowledge of the 1918 Influenza Pandemic, commonly known as Spanish Flu:」 https://www.who.int/influenza/gip-anniversary/quiz/en/ より

スペイン風邪(disease XI)はすでに米と仏で確認されていましたが、当時は両国とも第一次戦争の最中にあったため公にはされませんでした。
世界で初めて新しい疾病の存在を報道したのが、政府とは独立したスペインの中立報道機関であったため、のちにSpanish Flu 、スペイン風邪として知られるようになったそうです。

…余談でした。

「要請」って?従わないといけないの?

「外出自粛の要請」「休校の要請」など、知事や政府は様々な要請をしてきました。

ここでいう要請とは、必要だとして強く願い求めることですが、法的な強制力はありません

要請に従うか否かは、要請を受けた個人や自治体に委ねられています。
実際、2月末に政府が出した休校要請に対して、栃木県や兵庫県、沖縄県などは休校を見送っています。

「3密」とは?

「3密」とは

密閉空間」「密集場所」「密接場面

のこと。

感染リスクが特に高い空間のため、これらの条件が揃う場所を避けて生活することが求められています。

「医療崩壊」ってどういう状況のこと?

医療従事者や医薬品などの医療資源が足りなくなり、安定的・継続的な医療供給体制が成り立たなくなること

都市部をを中心に集団感染が拡大、感染者が急増しており、地域によってはすでに医療供給体制が崩壊しつつあります。

これは誤解されがちですが、必ずしも 感染爆発(オーバーシュート)→ 医療崩壊 の順に起こるわけではありません。

4月1日、日本医師会は「医療危機的状況宣言」を発表し、国民一人ひとりに対して自らの健康管理や感染を広げない対策、適切な受診行動をとるように呼びかけました。
医師会がかねてより緊急事態宣言を出すように訴えていたことも考えれば、感染爆発が起きていなくとも現状はすでに危険な段階にあると考えなくてはなりません。

PCR検査とは?

核酸増幅法:Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)法の略。

COVID-19のようなウイルスは顕微鏡でも見ることができません。
そこで対象とするウイルスに特有の遺伝子を人工的に増やし、染色し、肉眼で確認できるようにすることで検体(尿や粘膜)にウイルスが含まれるか否かを調べます。
確認できれば陽性、できなければ陰性と判定されます。

PCR法は万能ではないということを留意しなくてはなりません。
「感染が疑われる場合はすべからくPCR検査にかかるべし」と誤解させるような報道が以前にありましたが、心配だからと多くの人が病院に押し寄せることで、より重篤な患者の治療が手薄になったり病院が集団感染の場になることもあり得ます。

限られた医療資源が適切に分配されることが、医療現場の混乱を防ぐことになります。

PCR検査の詳細についてはこちらの記事が参考になるかと思います。

まとめ

クラスター:感染者集団
オーバーシュート:感染爆発
ロックダウン:都市封鎖
COVID-19:Corona Virus Disease 2019
要請:法的強制力はない
3密:密閉空間、密接場所、密接場面
医療崩壊:安定的・継続的な医療供給体制が成り立たなくなること
PCR検査:核酸増幅法、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)

 

新しい疾病の出現に伴い、報道では聴き慣れない用語が多く登場しています。

ここまで新型コロナウイルスに関する用語についてまとめてきましたが、これらが情報を正しく理解するための助けになれば幸いです。

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